ハツコイ
週末。




あれから琉偉とも、そして安原さんとも顔を合わせないまま、週末を迎えた。




今日は二階会の日。




せっかくの休日だもん。




こんな暗い顔してちゃ、ダメだよね。





両手で気合いを入れるように自分の顔をパンと叩いて、百合さんの家に向かった。





「待ってたよ〜柚奈!!」



百合さんが暖かく出迎えてくれる後ろで…




「早くおいでよーう、柚奈ぁ!!」




「あ、あーみん……本物…?」




そもそも、会社のあーみんと、このあーみん…どっちが本物??




「やだぁ〜、もちろんホ・ン・モ・ノ♪」




あーみんのギャップに呆気にとられる私を見て、百合さんが笑う。





「この子、仕事に対しては超ストイックだからね。会社では話しかけづらいでしょう?」




「話しかけづらいっていうか、まともに話したことがまだないですね…」




どうやら、あーみんとあの志賀さんは、やはり同一人物だったみたい。(実はまだ疑っていた)




「さ、シゲたちもじきに来るだろうから、ちゃっちゃと準備しよ。」




もうすぐ琉偉と顔合わせるのかぁ。




普通にしなきゃ、普通に…。




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