ハツコイ

「いや、俺には関係ないってこの前公園で言われたけどさ…」




そういえば、この前琉偉に八つ当たりしちゃったんだ。




だってあの時は、琉偉はてっきり、私と安原さんが付き合えばいいと言ってるのかと思っちゃったから…




だって琉偉には、彼女がいるわけだし…





だって……





そんなことばかり頭の中をグルグルしてた時。




琉偉がビールの空き缶を置いて、伸びをした。




「…よしっ。正直に言うよ。」




「え…?」






「安原さんと、付き合って欲しくない。」









あまりにも唐突な発言に、理解できないでいる私。




「どう…して…」




私のたどたどしく放った質問に対して琉偉が口を開きかけたと同時に…





「おーい、柚奈〜琉偉〜!!何してんだよぉ〜。こっち来て飲み直すぞー!!」




いつの間にか目覚めたシゲさんが、私たちを呼びに来た。




「ったく、シゲさんは酔うと厄介なんだよなぁ。」



クスリと笑った琉偉は、何事もなかったかのように部屋に入って行った。





ねえ、琉偉。




何であんなこと…?






私、もう無理だよ。




胸がキュって締め付けられる、この感じ。




やっぱり、私…





「……………好き……」




自分でも聞こえない位の小さな声で、呟いた。


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