ハツコイ

次の日から、チラッと横目で見るという、俺の“倉科柚奈観察”が始まった。





その結果、わかったこと。




いつもニコニコしていて。




すごく優しい子。




そして…




「高校生になったんだから、柚奈もそろそろ彼氏作らなきゃね〜」




水樹エリというクラスメイトが倉科に言っていた、この言葉。




しっかり耳に刻んだぞ!!




倉科には彼氏がいない。




それだけで、心の中で小さくガッツポーズしちゃう俺がいた。




この恋に突っ走っても大丈夫だ、そう思えた。





しかしその頃から、俺には厄介なことが続いた。




「おーい、琉偉。」




「ん?」




昼休み、席に座ったままぼーっとしていたらタケルがやって来た。




手に持っているのは、手紙らしきもの。



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