ハツコイ
そんな倉科と初めて話したのは、二人で初めて日直をした日だった。




「じゃあ、隣同士の席で今日から2人ずつ日直当番な〜。じゃあ今日は…安座間と倉科だな。日誌よろしく。」




神様、ありがとう。




やっと倉科と話せる!!



そう思った。





だけど、実際話そうと思うと、めちゃくちゃ緊張してきて…




なかなか、最初の一歩が踏み出せないでいた。




そんなこんなでホームルームが終わって行き…




ついに帰る時間になってしまった。





どーすんだよ、俺!!




せっかくのチャンスだろ?




ただ話しかけるだけだろ!!




心の中の勝ち気な俺が説得するけど…




心のもっと奥深くの内気な俺が、歯止めをかける。




そんな時だった。







「…安座間くん?」




倉科が、俺を呼んだ。

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