ハツコイ

「そ…なんだ。」




え…




今の微妙な返事は、一体!?




その後、何にも言わなくなってしまった倉科。




もしかして、軽蔑した?




ラブレターくれた子には全員返事しろって思ってる??



…とにかく、この空気を変えなければ。





「あのさ、倉科!!今度スポーツテストあるよなっ。」



「うん、そうだね。私、スポーツ苦手なんだよね…」



普通に返事してくれた倉科に、とりあえずホッとした。




「苦手なの?」



「うん。足も遅いし、球技が苦手だからボール投げるやつとか、全然ダメ。安座間くんはスポーツ万能そうだね!」




陽だまりのような笑顔を向けられ、思わず顔がにやけそうになる。




「そうだなぁ、足は結構自信あるかな。」



俺がそう言うと…




「見てみたい!安座間くんが走ってるとこ。今度スポーツテストの時、応援してるね!!」




倉科がそんな可愛らしいことを言ってくれた。





このままこの時間が続けばいいのに…




そんなことを願いながら、歩いていた気がする。


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