ハツコイ
「……琉偉?どうかした?」
柚の声に、ハッと我に返る。
「ごめんごめん、ちょっと高校時代を思い出してた。」
やばいやばい、柚がいるってのに感傷に浸ってる場合じゃないな。
「高校時代?懐かしー。」
隣で微笑む柚を見て、俺も自然と笑みがこぼれる。
昨日、再び柚に告白して付き合うことになって…
この上ない喜びと同時に、もう二度と柚を離さないと心に誓った。
「柚…」
「ん?」
「……キスして、柚から。」
「えっ…」
そして、もっともっと愛を確かめ合いたい。
俺は柚の彼氏なんだって、胸を張って言えるような男になりたい。
顔を真っ赤にした柚が、意を決したように顔を近づけてきた。
目を閉じた3秒後。
唇に感じた、やわらかな感触。
「…よくできました。」
「もうっ…」
恥じらって逃げようとする柚を、抱きしめる。
「る、琉偉…?」
「もう二度と…離さない。」