ハツコイ
「瑠偉…」




安原さんとのこと、なんでこんな中途半端な状況のまま、放っておいてしまったんだろう。




瑠偉の苦しそうな顔を見て、そう思った。





すると、瑠偉が私の顔を見つめながら言った。




「安原さんに、返事してないんだったよね?」




「うん…」




もう一度私に、触れるだけのキスをした後、琉偉は言った。




「じゃあ、安原さんにきちんと断って。それまで俺も、この先は…しない。俺なりのケジメ。」




「瑠偉……ごめんね。」




「なんで柚が謝るんだよ。今のこんな状況じゃ、俺は感情に身を任せて柚のこと襲っちゃいそうだから。優しくなんてしてやれないもん。」




冗談っぽくおどける瑠偉。




気を遣わせてしまった。





「明日、安原さんに絶対言う。だから…待ってて…」




そう言って、私から瑠偉にキスをした。




ごめんねとありがとうの気持ちを込めて…。



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