ハツコイ
仕事が終わり、オフィスの前で安原さんを待っていた。




時々マーケティング課を覗くと、安原さんも琉偉の姿も見えて、複雑な気持ちになった。




でもやっぱり、仕事に真剣な眼差しを向ける琉偉を見ると、胸がきゅんってなって…




私って本当、琉偉が好きなんだなって思う。





それから10分後。




安原さんが仕事を終え、オフィスから出て来た。




「倉科、お待たせ。こんなところで待たせちゃって悪かったね。」




「いえ、そんなこと…。」




安原さんに笑顔を向けられ、申し訳ない気持ちでいっぱいになる。




「それじゃ、とりあえず行こうか。晩ご飯、誘っていい?」



「あ、はい。もちろんです。」




そんな安原さんの向こうに、琉偉の姿が見えた。



頑張れよって言ってくれてる気がした。






それから、安原さんと他愛ない話をしながらレストランに到着。




安原さんは慣れた感じでメニューを見ながら注文してくれた。




こんな素敵なレストラン、数える程しか来たことないからよくわからないな…。




私って言ったらやっぱり、来ても居酒屋だし、最近はもっぱら二階会や琉偉とご飯食べたり…




…って、こんなとこでも琉偉のことばかり考えちゃってる私。




すると、ワインを片手に安原さんが本題を切り出した。




「…で、そろそろ返事を聞いてもいいかな?」




その言葉に、私は一呼吸置いて、話し始めた。



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