ハツコイ
「えっ、同窓会?」
『そう!ウチらの学年で大規模な同窓会。海でバーベキューやるんだって。柚も行こうよ!』
それは、突然のエリからの電話で知った、同窓会の知らせだった。
同窓会が海でバーベキューって。
しかも、全クラス集まるのかぁ。
「どうしたの、柚?」
お風呂から出てきた琉偉が、私の顔を覗き込む。
すると、琉偉の声が聞こえたのか、エリが電話を代わってと言ってきた。
「おお水樹、久しぶり。え?ああ、まあね。」
同窓会って、なんだか苦手だな。
だって、琉偉をみんなに見せたくないし。
…って、あれ………?
私、そんなこと思ってたの…?
「はー?海でバーベキュー?やだよ、行かねー。」
電話では、どうやら琉偉も同じことを言われ、同じように言い返しているようだ。
しかし…
「え…そりゃまあ………。…そっか、うん…わかった。行くよ。」
「えっ、行くの?」
思わず声を出してしまうと、琉偉がこれ以上は勘弁してって感じで、スマホを返された。
『ほらね、安座間は行くって。柚、海行くんだから水着がいるよ!明日暇?買いに行こうよ!』
そう言って、行くとも言ってないのに、次の日一緒に水着を買いに行くことになってしまった。