初恋の行き先
家にたどり着いたのは朝の5時だった。
あれから長々と葵に説教された後、葵は俺を呼び出した理由は長々と話し続けた。
居酒屋の次はバー、その後は深夜にだけ開いているラーメン屋さんにまで連れて行かれて、とにかく散々だった。
葵に解放された俺は急いで家に帰り、シャワーを浴びて、出張の用意をして、もちろん寝る間もなく後輩の北野との待ち合わせ場所である駅へ向かったのだ。
アイツ、まだ寝てるだろうな。
スマホで葵の電話番号を探す。
数回のコール音の後に聞こえる、寝ぼけた声に思わず笑ってしまう。
「おい、ちゃんと起きてるか?もう3時だけど」
「起きてるよ。ホント失礼」
絶対嘘だろう、そう思いながらも葵を刺激しないように口にはしない。
「そういえば航也も出張だって言ってたよね?電話してくるってことは無事に終わった?」
「おかげさまで。お前が寝かせてくれないから目が冴えまくってたよ」
「それって私のおかげってこと?」
皮肉を込めて言ったのに、葵は褒められていると思ったか、ケラケラと声を出して笑う。
コイツはいくつになっても変わらないな、となんだか安心するような寂しいような、訳のわからない気分になる。
ああ、寝不足だとこんな感傷的な気分になるんだな。
そう思いながら、葵と話を続ける。
あれから長々と葵に説教された後、葵は俺を呼び出した理由は長々と話し続けた。
居酒屋の次はバー、その後は深夜にだけ開いているラーメン屋さんにまで連れて行かれて、とにかく散々だった。
葵に解放された俺は急いで家に帰り、シャワーを浴びて、出張の用意をして、もちろん寝る間もなく後輩の北野との待ち合わせ場所である駅へ向かったのだ。
アイツ、まだ寝てるだろうな。
スマホで葵の電話番号を探す。
数回のコール音の後に聞こえる、寝ぼけた声に思わず笑ってしまう。
「おい、ちゃんと起きてるか?もう3時だけど」
「起きてるよ。ホント失礼」
絶対嘘だろう、そう思いながらも葵を刺激しないように口にはしない。
「そういえば航也も出張だって言ってたよね?電話してくるってことは無事に終わった?」
「おかげさまで。お前が寝かせてくれないから目が冴えまくってたよ」
「それって私のおかげってこと?」
皮肉を込めて言ったのに、葵は褒められていると思ったか、ケラケラと声を出して笑う。
コイツはいくつになっても変わらないな、となんだか安心するような寂しいような、訳のわからない気分になる。
ああ、寝不足だとこんな感傷的な気分になるんだな。
そう思いながら、葵と話を続ける。