いちばん近くて遠い人
「南ちゃん。聞いてる?
女の子の意見が聞きたいってさ。」
お客様の前での『南ちゃん』呼びに驚きつつ「なんでしょう」と平井様の方へと向き直った。
「あの……。女性は結婚前、というよりお付き合いする前にマンションを買っていたらどう思いますか。」
恥ずかしそうに聞く平井様に出来るだけ言葉を選んで伝えた。
「失礼ですが若い方がお好きですか?」
「滅相もない!」
「でしたら大丈夫だと思います。
私でしたら堅実な方だと思いますし、何よりお歳の近い方なら、なおのことご結婚を意識なされると思います。
ですので………。」
「南ちゃん固いよ。
平井さん、女の人と話すのが苦手だからくだけて話して差し上げて。」
なるほどそれで『南ちゃん』なんだ。
「では失礼して。
あの、敬語はそのままでいいですか?
敬語じゃないと恥ずかしいです。」
「え………あなたのような人でも?」
「ダメですよ。私なんて。
苦手なんです。人と上手く話せないし。」
「そっか。そうなんだ。」
肩の力が抜けた平井様を見て、隼人さんは上手いなぁと感心する。
「えっと、で、なんでしたっけ?」
「結婚前にマンション買うのはどう思うか。
でしょ?」
「あ、そうでした。
私なら大歓迎です。
もし心配なら結婚相手の方の為にリフォームしやすい間取りにしたらどうでしょう。
リフォーム費用も余裕を見ておくとお相手の方に直したいところがあればこのくらいなら直せるよって言えると思うんです。」
「なるほどね。
やっぱり女の子の視点は違うなぁ。」
何故か隼人さんの方が感心している。
女の子の意見が聞きたいってさ。」
お客様の前での『南ちゃん』呼びに驚きつつ「なんでしょう」と平井様の方へと向き直った。
「あの……。女性は結婚前、というよりお付き合いする前にマンションを買っていたらどう思いますか。」
恥ずかしそうに聞く平井様に出来るだけ言葉を選んで伝えた。
「失礼ですが若い方がお好きですか?」
「滅相もない!」
「でしたら大丈夫だと思います。
私でしたら堅実な方だと思いますし、何よりお歳の近い方なら、なおのことご結婚を意識なされると思います。
ですので………。」
「南ちゃん固いよ。
平井さん、女の人と話すのが苦手だからくだけて話して差し上げて。」
なるほどそれで『南ちゃん』なんだ。
「では失礼して。
あの、敬語はそのままでいいですか?
敬語じゃないと恥ずかしいです。」
「え………あなたのような人でも?」
「ダメですよ。私なんて。
苦手なんです。人と上手く話せないし。」
「そっか。そうなんだ。」
肩の力が抜けた平井様を見て、隼人さんは上手いなぁと感心する。
「えっと、で、なんでしたっけ?」
「結婚前にマンション買うのはどう思うか。
でしょ?」
「あ、そうでした。
私なら大歓迎です。
もし心配なら結婚相手の方の為にリフォームしやすい間取りにしたらどうでしょう。
リフォーム費用も余裕を見ておくとお相手の方に直したいところがあればこのくらいなら直せるよって言えると思うんです。」
「なるほどね。
やっぱり女の子の視点は違うなぁ。」
何故か隼人さんの方が感心している。