サーペンディス 天秤に架けられた少女



 レオナは服を拭きながら聞いた。

「セシルは?どこにいるの?」
「ベッド」

 するとレオナは勢いよく俺に迫ってきた。
「―――あんた、何やったのよっっ!!」
「おいちょっと待ってくれよっ!!誤解だってっ!!俺は何もしてない!!」
「じゃあ何でベッドにいるのよ!!あんたに少女趣味があったなんて知らなかったわよっっ!!」
「俺とセシルは師弟契約の儀式をしたの!!そのせいで気を失ったの!!」
「えぇ!!師弟契約しちゃったのっ!?」
 レオナが叫んだ。
「したのっ!!あいつに手は出してない。少女趣味もないっ!!弟子だっ!!」
「契約するなら私に言ってよっ!!私だって困るんだからっ!!」
「どうして?」

「私の部屋にいたからよ!!イーグレットに最初から渡すのは心配だったからじゃないの?」
 そ、そうか―――。
 サーペンディスで記憶を失くしているとは言え、年頃の女の子だしな。


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