サーペンディス 天秤に架けられた少女



「飯は食ったか?」
 昨日いた花の香り漂う庭の一角、ガーデニングテーブルに座るとイーグレットはテーブルを拭きながら聞いてきた。
 私は首を振った。
 拭く手を休め、腰に手をあてると、
「あいつ、俺んちでセシルの飯食しせて飯代節約か?俺は教師だけど今休職中だってのに―――」
 何かブツブツ言うと、
「―――んじゃあ、何食べる?まだ料理は出来るからなんでもいいぞ」
 料理―――――
「どうした?急に暗い顔し――――そうか―――んじゃあ何しようか―――」
 考える顔をすると、
「あ、じゃああれにしよう」
 指を鳴らすと一旦家の中に入った。テーブルの前は3段の小さな階段を上れば、家の中が大きなガラス張りですぐ横は台所になっている。白を基調としていてとてもシンプルで清潔的だ。
「よし、おいで」
 台所の横にある籠の1個を小脇にかかえてイーグレットは階段を下りてきた。そのまま庭の中を突っ切っていく。私もついていった。




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