サーペンディス 天秤に架けられた少女



 花畑の中は小道が続いて両脇からはみ出てくる花がいるくらいだった。どれも背丈以上に高く、いろいろな見たこともない花たちが満開を迎え、太陽の光の中で輝いている。あまりにいろいろな香りが混ざってるから鼻が痛い。
 鼻をつまんで歩いているとイーグレットが振り向いて、
「鼻が痛いだろ?」
 だからつまんでるんです。
「何かあったらこの中に隠れるといい。初めてこの庭に入った者はお前みたいになる。それに」
 足元のどこまでも続く小道を軽く踏んで、
「この道はどこまでも、何本も別れている。いろいろなところに行けるよう仕組んであるから何かあれば便利だ。ただ間違えると面倒だがな」
 ふぅ~ん。






< 81 / 90 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop