サーペンディス 天秤に架けられた少女
しばらく歩くと背丈の高い花から膝ぐらいの高さの花に変わった。しかも花だけではなく小さな実をつけたものもある。
「ここらへんは花の他に果実を栽培してる。といっても木になるものじゃないけどな」
そう言って1つの実を取った。とても小さく朝露に光る赤い実はいくつもの小さな粒がくっついているみたい。
「かわいい」
「ラズベリーだ。プチプチしてうまいぞ」
イーグレットさんは私に差し出してきた。口に入れるとプチプチして甘酸っぱかった。
「おいしい」
「だろ?」
イーグレットは笑った。背後には太陽が輝き始めている。ちょっと恥ずかしいくて俯いた。