サーペンディス 天秤に架けられた少女
「んまぁ、こんな固い話はやめよう。とりあえず、ここにあるのは食べれるやつだ。食べれない魔術に使うのはあっちな」
そう言って右奥を指差した。見ると白い柵の向こうに似ているような植物が生えている。
「まずはいろいろな植物を覚えてもらうことだな。大半は魔界文字から入るけどそんなの後ででいいよ。それにはっきり言うとこんなにたくさんの植物があるところなんてないぞ。あるとすれば王族の温室庭園で入れない」
ふぅ~ん。
「それじゃあ、ここにあるのを摘もうか。うまいのができるからな」
そう言ってしゃがみ込んだ。
「ほら、早く」
イーグレットが促す。私もしゃがみ込んで真っ赤なのや、紫色の小さな宝石を摘んだ。
どれも掌の上で輝いている。きれい。