秘密の約束。
頭を撫でて

おばちゃんは睦月を抱きしめていた。

あたしはただ、その光景を見て

おばちゃんたちは血が繋がっていなくても親子なんだって思った。

絆ってもので固く結ばれてる。

あたしはずっと頭がフル回転していて

睦月は意外と無表情でもないし

無関心でもないし

無口なわけでもなかった。

ただの噂だったんだ。

あたしは根も葉もない噂を信じたことに恥ずかしくなった。

今思うと睦月なんかクラスでちょこちょこ見るぐらいだし。

しゃべったことないしね…。

普通の人なのかぁ。


「さて、お父さんが帰ってくる前に晩御飯つくらなきゃ。」

と言っておばちゃんは台所に戻った。

その間睦月と2人きり。何か話さなきゃ…。

「あ、あの…」


睦月がこっちを見た。ひぇ―…コワイ。


「今日って授業…どんなのしてた?」
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