秘密の約束。
「タンスの位置これでいいですかぁ?」

「あ、はい」

「テレビはここに置きますか?」

「もうちょっと左で」

忙しそうに働く引っ越しセンターの人たち。
それも小さい部屋にはすぐに収まって

あっと言う間に帰っていって


元の静けさが戻ってきた。

「あーお昼食べそびれた」


お腹はグーグーと鳴って食べ物を催促している。

もう3時だしな…

コンビニでおにぎりでも食べよう。

俺は上着を羽織ると靴に履き替え出かけようとした。


「あれ?」


ポケットに入れていたはずの鍵がない。
苺香が持っていったのかな?


─もう!腹減ったってば…。
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