秘密の約束。
「今から林さんの家行こうと思ってたの」

ホットコーヒーにミルクを入れてスプーンでくるくる回す。

「はい?なんでですか?」

あたしは紅茶を頼んで、砂糖をいれながら先生を見た。

「いや、学校来ないから。家庭訪問?かな」

なんで家を知ってるんだろう?

おばちゃんは知らないだろう。知っていたら先生に言う前にまずおばちゃんが来るはずだ。

「ふーん」

適当に返事を返して、あたしは紅茶を一口のんだ。

「そんな、冷たいなぁ。最近どう?」

どうって言われても…
計画が着々と進んでます。なんて言えないし。

「計画は進んでる?」

その時にやっと笑ったのをあたしは見逃さなかった。

あたしたちの計画を知ってるの…

なんで知っているの?

「計画って…」


あたしは言葉を失った。
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