秘密の約束。
「そろそろ出よっか?林さんもなんか疲れてるみたいだし」

「あ、あぁ…。そうですね。お茶ありがとうございました」

あたしは急いで席を立った。家に帰りたかったが竹内先生が来ると聞いて帰りたくなくなった。

「420円になります」


お会計をすまして、竹内先生と別れた。

なんとしても、一人になりたかった。

「一気に疲れたな…」

あたしは近くの公園のベンチに座った。

いろいろ考えたいことがある。





睦月のお父さんを殺すのではなく警察に密告する。

どんなやりかたがいいか、なんてまだ考えていないけど睦月が刑務所に行くのはやっぱり嫌だった。

差し出してくれる手も頭をポンポンする手もあたしを怒る声も

無くなるなんて嫌だ。
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