秘密の約束。
「ハッピーバースデー!」



パン、パン!




クラッカーが鳴って、しばらくして電気がついた。
目の前には焦げたチョコケーキと少しばかりのお肉。そしてジュースが置いてある。





あたしは目をパチクリさせた。


「え?」




てっきり、睦月がお父さんを殺したのかと…。


「苺香。誕生日おめでと」






────誕生日?
そうか。今日はあたしの誕生日なんだ。

すっかり忘れていた。1ヶ月前のこの家に来る前に睦月が言った言葉を思い出す。

「11月になってからのお楽しみ」

こういうことだったの?
嬉しそうな顔の睦月はすごくかわいかった。



「ほら、座って」


そう促されストンと座る。
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