秘密の約束。
「とりあえず、家に帰ってきなさい」

あたしたちの荷物は引っ越しセンターに任せて

帰ることになった。

計画

おしまいかもしれないな。




嬉しいのと残念なのと交互で複雑だ。


でもこれでビクビクせずに住める。学校にも行ける。もう全然分かんないとこまで進んでるのかな。

そうしたらみっちゃんに教えてもらおう。

あーちゃんは元気にしてるかなあ。

そんなことが頭を駆け巡って、やっぱりあたしは嬉しかったんだろう。

でも睦月は…


顔は下を向いて、目は虚ろで

まるでなにかに絶望したような顔をしていた。


なにか、というのは計画のことなのだが…

そんなにもやり遂げたかったものなんだと

あらためてしみじみ感じた。

「睦月…」


家に帰ってからもずっとそんな感じだった。
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