秘密の約束。
「ううん、あの…上原くん…誘うから、Wデートって言うか」

もじもじと恥ずかしそうに答える智子。

そんなに好きなんだ。

ちょっとかわいいなって思ってしまった。

こんなに好きな人がいることは

愛しいと思うことは

大事だから。

「それは自分で誘いなよ?じゃないと映画に行ってもしゃべれなくなるよ?」


ちょっと意地悪に言った。もともとあまり仲良くはなかったけど

映画に行く話をするのがきっかけでどんどん仲良くなった。






「彼女いるんだって」

彰は前触れもなく話し出した。

「え?なにが」

もうすっかり忘れていたあたしはなんのことかわからなかった。


「上原だよ」


そんな話もあったと、ようやく思い出した。


「でも映画はOKしたんでしょ?」


智子の悲しむ顔を頭に浮かべてすごく不安になった。
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