秘密の約束。
「苺香…」


おばちゃんはハンカチで涙を拭いながらこう言った。





「竹内先生には気を付けてね…」







ドキっとした。




心臓が揺さぶられたようにバクバクと鳴っている。





「どうして…?」






あの人は危ないと分かっていた。

それはなぜかわからない。だけどおばちゃんに言われて改めて思った。






あの人はあたしたちになにか危害を与えようとしている。






「あの人は…






竹内先生は






睦月のお父さんだから」






少しの沈黙のあと
あたしはようやく気づいた。




竹内先生は女じゃん。






そんなドラマみたいなことある訳ない。






ねえ、そうでしょ?おばちゃん。

推理小説の読みすぎで思い込んでるだけでしょ?
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