秘密の約束。
苺香を起こし

また昨日のように手術室の前で座り
なんとも言えない時間が続いた。


手術に要した時間は5時間。
とりあえず意識を取り戻した。


最後になるかもしれないと一人ずつマスクをして面会させてもらえた。


お母さんにはいろんな管がついていて

苦しそうだった。


「睦月…苺香…

こっちにおいで…」



いつも明るいお母さんの声じゃないような

カラカラで低い声。

俺はお母さんのところに行くと手を握りしめた。






「お母さん…」






いろんな管がついているのに少し笑おうとする。

苦しいのは分かってるから、笑わなくていいよ。

どうしてそんなにいつも無理するんだよ。


「睦月…あなたを引き取ってよかったと

今でも巡り会えたことを感謝しているわ…」
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