秘密の約束。
手がガタガタ震えて止まらない。

怖い…怖い…

それだけで頭がいっぱいになってなにも考えられない。


「苺香!苺香!どうしたんだ?ゆっくり、理由を説明しろ」



おじちゃんはいつものおじちゃんで

冷静で頼りになるおじちゃんだった。


「竹内先生が…竹内先生…あたしを殺しに来たの…」


おじちゃんはなにがなんだか分からないというような顔で

もう一度聞いた。


「どういう意味だ?」






おじちゃんは巻き込みたくない。
おじちゃんだけは…何も知らないんだから…




「一人にさせて…くれる…?だいぶ落ち着いたから…」

「そ…そうだな。自分の部屋まで行けるか?」




あたしは頷いて階段を上りはじめた。



殺すか殺されるか


あたしたちはどちらの立場にもいる。
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