秘密の約束。
「うっせ―バカ」

一階から声がする。
文句の1つでも言おうとあたしは

ドシンッ
ドシンッ

と怪獣のように降りていった。

「うるせんだよ!お前は怪獣か」

こいつはなぜこうも口を開くと文句ばっかり。

「朝飯は?」

あ、忘れてた。今日は休みだから遅くてもい―のにな―。

「ちょっと待ってて」

いそいそと作り始めるあたし。
こんな新婚さんみたいなこと、ほんとは好きな人としたかったな―。

好きな人いないけどね。

朝食はベーコンと目玉焼きとパン。
あたしは自分の分と睦月の分を並べて食べ出した。


「……………お母さんの方がやっぱおいしいなあ。」

こらえろ。こらえるのよ。苺香。

こうゆうやつなんだってば。
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