秘密の約束。
「ピンポーン。あたり。ご褒美として、楽にしてやるよ」



くる…!!!
あたしはすかさずはさみを出そうとポケットに手を伸ばした。



「あ?なんかあるのか?」



先にポケットの中に手を入れられ


「はさみ?…これでころそうとしてた?
かわいいねー?」



はさみをくるくるまわして教室の隅に飛ばした。
あたしは壁に追い詰められ逃げることができない。

「なにで殺してほしい?あきこみたいに刺す?それか窒息?」


ツツツ…とナイフを首に這わせる。

血がツーと首すじに伝った。


あたしは後悔した。


考えが甘かったことと


死ぬことが怖くないなんて強がりを言ったこと。



目をぎゅっとつぶって諦めた。

あまり痛くないよう死ねますようにと

思ったその時だった───
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