秘密の約束。
カチャ…


その時





目の前の扉が開き睦月が立っていた。


「本当にいいの?」


睦月も泣いていた。それはあたしが見たことないほど目は腫れていて鼻水は垂らしてきたなかった。


だけど嬉しくてあたしは笑った。


「うん。睦月は睦月だよ。初めに言ったじゃん」


あたしはいつの間にか睦月に包み込まれ

抱きしめられていた。


「いっぱい苦労かけちゃうよ。俺が社長になったら…。それでもずっといてくれんの?」




あたしを試すかのように聞いた。
あたしは睦月を抱きしめかえし

耳元でこう言った。


「ずっと死ぬまでいるよ。睦月が望むならね」




あたしたちは計画を終えてなにも得たものはなかったけれど

計画を通して、睦月の優しさを好きになると言うことを知った。
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