秘密の約束。
「それなら、いいけど。」

誰を殺したいんだろう。

誰を見つけだしたいんだろう。

ずっともやもやしてること。

『殺人者の息子』

違うよね?だってこんなにも睦月はいい人なんだから。そりゃムカつくこともある。

でも、きっといいやつだって、信じてる。

親みたいに殺人者になろうなんて思ってないよね?

「むっくん…」

睦月はびっくりして振り返った。

「…なんだよ」

のどの奥まできてる言葉、声に出来なくて焦っていた。
早く…早く言わなきゃ。

「むっくんの親って殺人者…なの?違うんならあたし…みんなに…かなちゃんとか、みっちゃんとか、説明するし!」

うつむいている顔があげれない。

怒ってるかな。泣いてるかな。

だけどどれも違った。睦月は平然な顔で

「うん。」

と答えた。
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