秘密の約束。
おばちゃんが玄関のすぐそばにいた。

「苺香ちゃんをほっておけないの。身寄りもないし。ここを離れるのが嫌だったらあたしたちがここに住むから。

迷惑かな...」

おばちゃんは目を下に落として、しょぼんと肩をすぼめた。

確かにあたしにはおばあちゃんもおじいちゃんも亡くなっていないし

親戚にはあまりいい顔をされていない。

いわゆる盥回しってやつ。

やっぱりあたしだって寂しいし

まだ子供だからいろいろできないこともある。

おばちゃんが来てくれるのは嬉しい。

けど

おばちゃんたちの前の家はどうしたんだろう。

「あたしたちの家はおばあちゃんたちに住んでもらうことにしたから♪」

おばちゃんのいつものにこっと攻撃。

そうだ。

この人

すごいお金持ちだったんだ。

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