秘密の約束。
「お父さんを殺す計画。」







あたしはどう返事すればいいかわからなかった。


嫌ともいいとも言えなかった。
睦月がお父さんを殺したい理由もわかる。
だけどそれは正しいことなの?

理由は違っていても、お父さんと同じ過ちを繰り返すんじゃないの?


頭はグルグル回って、声が出なくなった。


「嫌なら嫌でいいよ。俺は1人でもこの計画をやり通す。」

その強い眼差しに圧倒された。
間違ってることは分かってた。






だけど頷く自分がいた。



「やる。1人より2人の方がいいでしょ?」



睦月はにやっと笑って、「サンキュー」とあたしの頭に手を置いた。

あたしは睦月のことを友達として見ていたつもりだった。

だけど心はそれ以上の感情を持っていたのかもしれない─────
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