秘密の約束。
みっちゃんは続けて言う。

「だからいじめたら戻ってくると思ったの。
苺香、ごめんなさい。
本当は大好きだよ。」

あたしも泣いた。泣いたのはお母さんとお父さんが亡くなって以来だ。

「あたしも……。また友達になれるかな?」


みっちゃんは泣きながらこくんと頷いた。
今度からはきっと、あたしたち本当の友達になれると思うよ。

「だめ。」

誰かがそう言った。声はあたしの後ろから聞こえる。………睦月?


「苺香は俺のだし。お前にあげねぇよ。」

何言ってんの??どこまでもバカ。こんな時までふざけないでよ。

睦月はあたしの腕をいつものように強引に引っ張ると走り出した。

みっちゃんたちの声が後ろから聞こえる。

「どっ…どこいくの?」

ハァハァと息を切らしながら、走るあたし。

「おばぁちゃん家」

おばぁちゃん?
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