秘密の約束。
「義理だけど。」

でも、なんで行くの?

「今からお母さんのとこ行ったら、また怒るだろ?」

睦月はいつもあたしの聞きたいことを分かってくれる。
確かに。朝から怒られるより帰ってから怒られる方がいいよね。



あたしたちはひたすら走った。
朝の冷たい空気が少し寒い。

でもそんなことも気にならないぐらい走り続けた。


いきなり立ち止まる睦月。あたしは止まれずに睦月の背中にぶつかる。

視線の先には────







ものすごくでかい家だった。お城かと思う程の───




「でも、おばちゃんに言わないかな?だって、実の娘の子供なんでしょ。」
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