秘密の約束。
苺香は泣いている。もしかして俺が泣かした?

「置いていく…なんて…っ言わないでよ…。」


ズルズルとドアにもたれかかってしゃがみこむ。

「ご、ごめん。だって苺香には危険な目にあってほしくないんだ…」

駆け寄ってあくまでも苺香のことを心配していることをアピールする。

「だっ……て…
知っててやろうと思ったもん…!睦月と離れたくないよ…」




なぁ、苺香。

俺と一緒だからって幸せになれるわけじゃない。

ましてや、殺人を犯してしまったら日のあたるところを歩けない。

それでも俺のそばにいたいって思える?

うんってすぐに言える?


俺は苺香が好きだ。

だから誘ってしまったことを後悔してる。

巻き込んだことを後悔してる。

大切だから、傷ついてほしくないんだよ。
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