おもかげlover...〜最上級に最低な恋〜
――――


「ザッハトルテを1つと、
キャラメルマキアートを1つ」

翌日、出勤前に立ち寄ったのはよく行くカフェ。
ドリンクを飲みながらまたため息をついていた。
明日…一緒の出勤気まずいなぁ…。なんて、思考は一向にポジティブにはなれなかった。

出勤してやまやまと入れかえに店長が帰るとすぐ、やまやまは

「なにか連絡とかあった?」

と聞いてきた。

「全くなし!もう待ちたくないー」

変わらず弱気なわたしをやまやまは笑う。

「あっ!やまやまにケーキ買ってきたから冷蔵庫にいれてあるよ!昨日だったじゃん、誕生日」

「なになにイタ子ちゃん、優しいじゃん!」

冷蔵庫のケーキ、ザッハトルテをやまやまに渡すと

「チョコレートじゃん!」

と喜んでパクリと豪快に食べた。

「うまっ!なんで手作りじゃないの?笑」

「なんで手作りしなきゃいけないの?笑」

「ありがと!うまかった!」


「30歳おめでとう!笑」


やまやまには話も聞いてもらって本当に感謝していた。
だから、誕生日ってよりはそっちのお礼だけどあえて言わなかった。


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