おもかげlover...〜最上級に最低な恋〜
「ちなみに、店の誰かは知ってたりする?」


「あっ……店長以外は…知ってる。笑」


「へ!?まじ?オレだけ知らなかったのかー笑」


と、なぜか満足気な顔をしている水島くん。

「さすがに本人に相談とかは…笑」


「そうだよね!笑
てか、けいいちも知ってんのかぁー笑」


「うん。一番最初に佐藤くんにバレてすぐやまうらさんに…笑」

和やかな空気と未だに残っている緊張感が今後の期待と不安を大きくする。
まだ仕事の水島くんに手を振ったわたしは、軽快な足取りで車に乗り込んだ。
冷え切った車内で、エンジンをかけるより先に電話をかけていた。
つい数時間前とは真逆のテンションで。

「もしもし」

やまやまの声にかぶせて、わたしは明るく潤ませた声を出した。


「もしもしー涙
オッケーだったぁぁ」

「なんだよ!まじかよ?!
なんだったんだよ考えるってー」


「でもなんかさぁ…」


わたしは女友達の話をしようとして口を止めた。

「なんだよ?」


「ううん。また明日話すよ」


「おうっ、まぁとりあえずよかったじゃん!焼き鳥はまただなっ」


やまやまはクールぶった口調で
″またな″と電話を切った。

エンジンをかけて、失恋ソングになっていた音楽をフユコイに変えた。
始まってしまったこの恋は、
今後
-さまざまな想い-
を巻き込みながら進んでいく。


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