おもかげlover...〜最上級に最低な恋〜
今日から佐藤くんが夜勤で出勤する。
わたしと入れ替えになるから、一緒に仕事をする事はないけどほぼ毎日顔を合わせる事になる。


「今日、久しぶりにけいいちに会うなぁ。
オレらのこと、あこが帰ったら言っておくね」

と、どこか張り切る潤くん。


わたしはコクリと頷きながら、あの日の事を思い出してしまった。
あれから佐藤くんには会っていないし、潤くんとの毎日に浮かれていて少し忘れていた…
というよりは、思い出さない様にしていた。
あのミルクチョコレート、大好きなのに箱に入れたまま食べれてないなぁ。

「あこ?聞いて…た?」

潤くんの声が聞こえてハッと我に返った。

「ごめん、なになに?」

「来月、どこ休み希望出そうか?」

「わたしはいつでもいいよっ」

「オレも!ならこの日と…」

「この辺にしとく?」

なんて、くっつきながら来月のカレンダーを指差していると、自動ドアのチリンという音が鳴ったのでカウンターへ向かった。
潤くんの″けいいちじゃない?″という声を背に、なんとなくわたしの中に緊張が走っていた。


「おつかれっすー!」

相変わらずの軽いあいさつで佐藤くんは出勤してきた。
なにも変わらない様子にホッとしてわたしも「おつかれさまです」と言った。


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