おもかげlover...〜最上級に最低な恋〜
刃物の先で顔をスーッと切りつけられていくような、痛くて冷たい衝撃が走っていく。


「えっ?!待って待って、泣いたの?なんで?付き合ってたとかじゃないんだよね?」

「付き合ってないよ。最後は、頑張ってね!みたいな感じだったから大丈夫だよ」


潤くんの言っていることの意味がわからなかった。
その部分しか知らないわたしからしたら、やっぱり好きだからだよね…と結論はそこに行き着いてしまう。

わたしは言いたくなかった言葉を発していた。

「その子は潤くんが好きだったんじゃない?」


「いや、それはないと思うよ。だったとしても今更泣かれたって困るしさぁ…だってねぇ……オレはもう…あこが好きなわけだから…」



初めて潤くんが直接″好き″と言ってくれた。


ストレートでウソはなくて、喜ぶところなはずなのに…

どうしてこんなにしっくりこないのだろう。
どうしてこんなに引っかかるのだろう…

その子の″好きの想い″はどこへいくのだろう…。

軽はずみなウソと想いが誰かを傷つけている。

わたしには彼氏がいる。

わたしだけが知る真実がわたしの首を絞めていく…。


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