おもかげlover...〜最上級に最低な恋〜
それなのにわたしときたら、
″安心したよ″と甘えてみたり、心の底とは裏腹に明るく今まで通りを装っていた。
だってそうするしかない気がして、答えが導き出せなかったから。
1時間の休憩が終わると、潤くんは帰って行った。
わたしはやまやまにもう少しだけ時間をもらって、ある人に電話をかけた。


「終わったらそっち行くね」


仕事後に会う約束をして仕事に戻った。
どうするべきか、どうしたいのか見えなくなった時はやっぱり聞いてもらうに限る。信頼できて、素直にありのままの自分でいられる人に。


この日やまやまは休憩に入らず「水島くんなんだって?」と話を聞きたがったけど、女友達が泣いちゃったらしい。ということは話さなかった。


後悔をしているわけじゃないけど、その子を泣かせてしまったのはわたしな気がして居た堪れない気持ちになる。
食料品の在庫の確認をしながら、わたしはどうしたいのか考えていた。
するとカウンターにいるやまやまの声がして、佐藤くんが出勤した事がわかった。
そういえば佐藤くん、あの手紙読んだかな?なんて急激に緊張し始めていた。

いや、むしろ…
潤くんと女友達のなんだかんだがあったにもかかわらず、わたしは今日、佐藤くんと顔を合わせるのを待ちに待っていたと言っても過言ではない。

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