おもかげlover...〜最上級に最低な恋〜
一通り話し終えたわたしにゆうじは、

「てか、なんでそんなにいつもうまくいくんだよ。スゲーな」

「わたしだってびっくりしてるよ」

「まずな、お前はいつもいいとこ取りなんだよ。
絶対的な彼氏がいて、マンネリしてきたらもう1人誰かと恋愛ごっこして、飽きたり嫌なとこ見つけたら彼氏に戻る。」

「待って!恋愛ごっこじゃないの!これは本気なの!」

「はいはい、まぁそこはいいとして…その女友達?が気になるわけだろ?」

「気になるっていうかさ…潤くんの事を好きだとしたら、わたしって本当に最悪じゃない?」


「いや、その女友達が潤くんを好きじゃなかったとしてもお前は最悪だよ!笑」


ゆうじは続ける。


「とりあえず、その女友達のために別れようとか思ってんならそれは絶対にやめろ!
申し訳ないけど彼氏は今はちょっと置いといて…
それを理由に別れるなんて言ったら、潤くんがまじで可哀想だから。」


身勝手すぎた考えに気づかされていく。

そしてゆうじは、更にするどい質問をしてきた。

「別れる理由探してない?」


息を飲むように最近の事を振り返る。


探していたのはマイナス要因ばかりで、潤くんの気遣いや不器用な優しさ、思ってくれているからこその行動に目を向けていなかった。


「ゆうじ…さすがだよ…!すごいね、わたし…探してたかもしれない…自分がこれ以上追い込まれないように…もう終わりに出来たらとか思ってたのかも…」


「今はやめろよ、さすがに。
可哀そすぎるだろ。もっと限界くるまで待って考えろ…
それがウソついた責任。なんじゃねぇの?どうせ、潤くんとの未来なんて最初から考えてないんだろ。」



目が覚めていく。
こんなに冷静に的確に、それだ!という答えをくれる。
なぜわたしは、ゆうじに惚れないのかが不思議なくらい。




すんなりゆうじの話に納得して、あっさりいつものわたしに戻っていた。

そして真剣な話をした後のお決まりは、ふざけた日常トークで笑ってバイバイをする。


これを優しさに感じるのは、わたしの勘違いな気がするけど…優しさだと自惚れていようと思う。




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