おもかげlover...〜最上級に最低な恋〜
なんともいえない雰囲気が嫌で、キッチンから受付に出てPCを見ていた。
着がえを終えてもどった佐藤くんに、やまやまが待ってましたとばかりに話しかける。
「けいいち、お前さ、最近飲み会来ないよな?」
クールぶった声が、なにか問い詰めているように聞こえてしまうのはわたしの気のせいだろうか…
「そうなんすよねー。最近は夜勤もあるせいか、なかなか行けないっすねー」
いつも通りの軽い口調で束ねた髪の毛を触る。
やまやまは少し口を尖らせながら頷いて、
「彼女できた?」
と、ひとこと。
「できてないっすよ!」と、あっさり言った佐藤くんは食器を洗おうとシンクに体を向けた。
わたしはこれ以上ここにいるのが、気まずすぎて…
時計を確認して、タイムカードを押そうとキッチンに入ってカードを手に取った。
その瞬間だった…
「好きな人は出来ましたけど」
これまでこの空間で感じた事のない静けさと冷たい空気。
ピーピピッ。
と、空気を読まずに鳴ったのはタイムカードを切った音。
ねぇやまやま、茶化して盛り上がるところじゃないの?
なんで2人は別の方向を向いて、背中合わせで無言なの?
なにこの寒々しい空気…
凍りついたように立ち尽くすわたしにやまやまが「上がっていいよ」とボソリ、言葉をくれた。
「あっ…うん」とバックヤードに向かう足取りは重いのに早足になっていて、バックヤードに着いたとたん大きく深呼吸をしていた。
なぜこんな空気になっているのか、わたしにはわからない。
あの流れで普段のやまやまなら
「まじかよ!?どんな子どんな子?可愛い?どこで出会ったんだよ」
とか、言うに決まっている。
なのに…
スカートをはいて、タイツを直して鏡を見て…あっそうだ、とコートのポケットに手を入れる。
あれから毎回続いているチョコとメッセージの贈り物は、どんな時もわたしに元気をくれる。
だからこんな日は余計、それにすがりたい気分だった。
ポケットから出した小さなチョコに、いつも通り付いている付箋。それに書かれた文字を見たわたしは、その場で崩れるようにしゃがみ込んでしまった。
着がえを終えてもどった佐藤くんに、やまやまが待ってましたとばかりに話しかける。
「けいいち、お前さ、最近飲み会来ないよな?」
クールぶった声が、なにか問い詰めているように聞こえてしまうのはわたしの気のせいだろうか…
「そうなんすよねー。最近は夜勤もあるせいか、なかなか行けないっすねー」
いつも通りの軽い口調で束ねた髪の毛を触る。
やまやまは少し口を尖らせながら頷いて、
「彼女できた?」
と、ひとこと。
「できてないっすよ!」と、あっさり言った佐藤くんは食器を洗おうとシンクに体を向けた。
わたしはこれ以上ここにいるのが、気まずすぎて…
時計を確認して、タイムカードを押そうとキッチンに入ってカードを手に取った。
その瞬間だった…
「好きな人は出来ましたけど」
これまでこの空間で感じた事のない静けさと冷たい空気。
ピーピピッ。
と、空気を読まずに鳴ったのはタイムカードを切った音。
ねぇやまやま、茶化して盛り上がるところじゃないの?
なんで2人は別の方向を向いて、背中合わせで無言なの?
なにこの寒々しい空気…
凍りついたように立ち尽くすわたしにやまやまが「上がっていいよ」とボソリ、言葉をくれた。
「あっ…うん」とバックヤードに向かう足取りは重いのに早足になっていて、バックヤードに着いたとたん大きく深呼吸をしていた。
なぜこんな空気になっているのか、わたしにはわからない。
あの流れで普段のやまやまなら
「まじかよ!?どんな子どんな子?可愛い?どこで出会ったんだよ」
とか、言うに決まっている。
なのに…
スカートをはいて、タイツを直して鏡を見て…あっそうだ、とコートのポケットに手を入れる。
あれから毎回続いているチョコとメッセージの贈り物は、どんな時もわたしに元気をくれる。
だからこんな日は余計、それにすがりたい気分だった。
ポケットから出した小さなチョコに、いつも通り付いている付箋。それに書かれた文字を見たわたしは、その場で崩れるようにしゃがみ込んでしまった。