おもかげlover...〜最上級に最低な恋〜
佐藤くんを見ると、もうかなり限界に近い状態で冷蔵庫にもたれかかっている。


「大丈夫?今日は…やまやまにお願いして帰ろう?」


わたしは佐藤くんを支えながら、一度イスに座ってもらった。


「ごめん…」


らしくないトーンと言葉に愛おしさが増してしまう。


「車で来たんだよね?危ないから送るよ……てか送らせて?」



頷きながら咳込みだした佐藤くんの背中をさすると、また背後から


「お前らなんなんだよ…」


と、苦笑いするやまやまの声がした。


「今日は帰るね…本当にありがとね」


やまやまに言ったけど、


″はいよ″と一言冷たい返事。


佐藤くんを車に乗せて、急いでエンジンをかけ暖気する。
熱がさらに上がってるんじゃないか、また発作を起こすんじゃないか…


わたしの不安をよそに、佐藤くんは他の事を考えていた。


「やまうらさん、絶対見たよな?」


車を走らせながらわたしは、″うん″と小さく言った。


「ごめんな…あこちゃんに気まずい思いさせちゃうよな…」


「わたしは大丈夫だよ」


ここまできたら、もう全てがいっぱいいっぱいすぎて…今ある全てが終わっても仕方ない。
むしろそうあるべきだ…とまで思っていた。


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