おもかげlover...〜最上級に最低な恋〜
どストライクな王子様を誰にも渡したくないなんて…本当に何も知らぬまま。

外見だけを見つめていたんだ。



潤くんごめんなさい…



中身だって、優しくて気が利いて安心させようと不器用ながら頑張ってくれているのに…


一緒にいても、これというものを見つけ出せなかった。


東京に旅行に行くって聞いて、なんかホッとしているわたしがいた。


なんでだろうね…最低だね。お土産買ったよメールも…帰った日に会おうメールも…少しも胸が高鳴らなくなってしまった。



それは佐藤くんがいるからなのか、そこは関係ないのか。
全てがわからなくなってしまった。



わたしはどうしたらいい?



涙が落ちていく。気がつくと佐藤くんの手を握っていた。



”ひとりにしないで″



声に出していたかどうかもわからない。
わたしも一緒に眠りに落ちていた。



薄らと明るくなってきて、月が沈みそうな頃ふたり共目が覚めた。


「やばっ、せっかくの貴重な時間…寝ちまった…」


「体調はどう?」


「薬効いてるのか、だいぶいいよ」


「佐藤くん、今日はお休みだからしっかり休んでね」


「そうじゃん、あこちゃん昼からまた仕事じゃんね?まじごめん。仕事までここで休んでいって。」



「ううん…もう少ししたら帰る…」



繋いでいる手に自然と力が入ってしまう。



「なんか…オレ最低だよな。トラブル利用して親友の彼女に近寄るって…潤にわる…」




「言わないで…それ以上は言わないで…」


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