おもかげlover...〜最上級に最低な恋〜
「ねっ?最低でしょ…結局、潤くんだってわたしの求めていた王子様じゃなかったから…外見に惹かれただけ。」


「ひでーな……」


繋がっていたはずの手は離れていた。


部屋はどんどん明るくなってしまうから、わたしは最後の言葉を口にした。
必死に必死に堪えている涙がもう限界で…それでも必死に堪えて……



「身体が心配だったから、一緒にいただけだから…
だいたいわたし、髪の長い男の人はタイプじゃないし、それにギャル系のエッチなDVDとか見てる人も嫌だし…それに…それに…記憶に残るような言葉くれる人…も…イヤ…なの。
だから仕事仲間としてお店で会おうね。バイバイ……」



無言のままの佐藤くんに背を向けて、バッグを手に急いで部屋を出た。



早く階段を下りたいのに、涙で全てが見えなくなっていた。




本当はただ一言、好きって、それだけを言いたかった…
新鮮だからとか、ドキドキさせてくれるからとか…それだけじゃないもっと深い部分に触れたから。



それでも…もう全てが限界だった。


わたしは佐藤くんを守れましたか?


これからの事なんて、少しも考えられなかった。


ただ、佐藤くんがくれたあの感覚を早く消し去りたくて


…ひたすら涙を流した。



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