おもかげlover...〜最上級に最低な恋〜
カウンターにスタンバイして、2枚目のドアが開いた瞬間…いらっしゃいませの″い″が出て″あっ…″に変わった。

鼓動が急速に高鳴って、緊張感が一気にわたしを包む。
そこには今日お休みの水島くんがいる。

一瞬にして背筋が伸びるような…そんな緊張感。
ドキドキは加速するのに呼吸は止まってしまう。

「あっ…お、おつかれさまです」

さっきまでとはまるで違う別人のようなわたし。

水島くんは小さめな声で「おつかれさま」と言って、キッチンの方を指差して


「やまうらさんいる?」

と聞いた。

「あっ、はいっ!」


かしこまって返事をして、キッチンまで数歩、ちょこちょこ小走りした。

キッチンで洗い物をしているやまやまの背中に声をかけた。

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