おもかげlover...〜最上級に最低な恋〜
「ヤマウラさん!水島くんが…あの…呼んでます。」

やまやまは驚いた様子で手をふきながら、

「え?!水島くん?」

と言ってこちらへきた。

やまやまは水島くんを見るなり、



「どうしたの?めずらしいじゃん、休みの日に来るなんて」

そう驚きながらもクールに対応している。

わたしはそっとキッチンとカウンターの間でふたりのやり取りを見ていた。
というより、水島くんの姿を…と言った方が正解かもしれない。

水島くんはやまやまに何かを渡しながら

「これ借りてたやつです」

なんて言っている。

「あぁ!仕事の日でもよかったのに!わざわざありがと!」

とクールぶっている。

「近くを通ったので。」

水島くんの誰と接する時も変わらぬ声が3人の間に響いた。

ペコっと頭を下げて、早々に帰る水島くん。
後ろ姿も、歩き方もどこか懐かしい感じがして、胸をしめつける。


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