おもかげlover...〜最上級に最低な恋〜
水島くんはシフト表を見つめている。
その横顔を見つめていた事に気がついたのは、水島くんがこちらを向いた瞬間…ばちっと目が合ってしまったから。

おもわず

「あっ…」

なんて声が出た。
確実に赤らんでいるわたしはごまかす様に下を向いてエプロンを直す素振りをする。

「2日間、やまうらさんと大丈夫だった?」

優しく問うその声が、わたしのホッペを更に赤く染めていく。



「あっ、はい!大丈夫でした」

何についての″大丈夫だった?″なのかわからないけど…とっさに″大丈夫″と言っていた。

むしろ今、全然大丈夫じゃない。
なんて言えるはずもなく…

「それならよかった」

と軽く微笑む水島くんは飲み終えたドリンクバーのコップを持ちながらまたわたしに言葉をくれた。

「コーヒー飲める人?」

「コーヒー飲める人です」

水島くんの表情が明るくなって


「じゃあ待ってて」

と言葉を置いてドリンクバーへ向かった。

ピッとボタンの音が聞こえてくる。
もしかしてコーヒーを持ってきてくれる?
なんて考えるとなぜかソワソワした気持ちになる。
< 31 / 187 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop