おもかげlover...〜最上級に最低な恋〜
「イタ子ちゃん、今日水島くんの誕生日だよ。お祝いしなくていいの?笑」


何も知らないやまやまが、いつもの調子で聞いてきたのは2人で仕事が始まってすぐのこと。
わたしは、待ってましたとばかりに弾む口調で答えた。

「昨日ねぇーお菓子渡したのっ」


珍しくカウンターのPCを操作していたやまやまは、「まじで?!」と驚き、目を見開いた。

モジモジした様子を装いながらも得意げに「うん」と言うと、


「何渡したの?」


と、からかいモードではなく驚きプラスまじモードなやまやま。

「ベイクドチーズケーキ!手作りの…」

「まじかよ!手作りかよ!手作りってもう、好きって言ってるようなもんだろ」

「えーそうかな?!まぁわたしも考えたんだよ手作りってどうなの?って」


「オレだったら、チョコレートケーキがいいけどなぁ」


見当違いな答えにおもわず吹き出した。


「確かに!チョコはわたしも好き」

「水島くん、そのへんに捨てて帰ってない?笑」

「そんな事する人じゃないです!」


クックックとからかいながら笑うやまやまは、聞いてほしい事をやっと聞いてくれた。

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