おもかげlover...〜最上級に最低な恋〜
「あ…ありがとう!
返事…返事ちょっと考えさせてもらっても…いい?」

わたしはコクリと頷いたけど、水島くんを困らせてしまった気がして複雑な気持ちになった。
返事とか、付き合うとか振られるとか…その後のことなんて、これっぽっちも考えていなかった。

そうこう考えているうちに夜の国道沿いの景色はみるみる過ぎ去っていく。
なんだか、わたしの心も置き去りにされていくみたいな気持ちになっていた。
駐車場に着いて早く車から降りたくなって…

「今日は本当にありがとう。
運転も長時間ありがとうねっ!」

いつもより早口になっていたかもしれない。


「こちらこそありがとう!」

と、笑顔の水島くんを背に車のドアに手を掛けた。

「寒いから、これ…」

優しい声がしてゆっくり振り返る。

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